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院長の執筆文

 

中耳炎の家庭でのケア

核家族化が社会的にも大勢を占め、夫婦共働きが増えるにつけ、乳幼児の中耳炎が遷延化しています。中耳炎と診断されてからの目鼻科通いに大変な負担を感じておられる父母もさぞ多かろうと思います。確かに中耳炎は一回だけの治療で済むことは少なく、一度治ったにしても、かぜをひき易い乳幼児では短期間に反復してしまうことがしばしばです。

生命に関わるような中耳炎は乳幼児では稀ですが、痛みや発熱といった目に見える症状から、耳閉感や、それに伴う不機嫌といった気付きにくい症状、さらに治療のための頻回の通院を考えた場合、たかが中耳炎、されど中耳炎≠ニ言われるのも無理からぬ事です。

耳鼻科では鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術と言った外科的治療を効果的に組み合わせて、できるだけ中耳炎による症状を軽減させ、しかも通院回数を少なくする努力をしますが、その際に大事なことはやはり家庭でのケアにつきるように思います。一日の大半を保育園で過ごす乳幼児と、家庭で過ごす乳幼児では治療経過が異なるからです。

まず中耳炎に対する基本的な知識を持ち、かぜのこじれた状態が中耳炎であるとの認識があれば、おのずから家庭での対処にもより良い方法が見つかるはずです。せめて治療初期の段階で保育園を休ませるか、あるいは在園時間を縮めるかの工夫が望まれます。現実的に無理な場合は、保育園と病気に対する連携を密にして、治療に専念して欲しいものです。

最近小児科では病児保育が民間の診療所で始まりましたが、まだ財政的基盤が脆弱なため、一般に普及するには時間がかかります。社会的にこのようなシステムが定着すれば乳幼児の中耳炎治療にとっても大きな成果が期待されることを申し添えておきます。

1996年  琉球新報 「ドクターの談話室」   (源河朝博)